グループホームの問題点(後編)

前回からの続きです。
 
パート雇用が増えるということは、給与も安いということで、スタッフの離職率があがってくる。
現在のグループホームのスタッフの勤務年数は驚く程短い。
だが、より良い条件を求めて、職場を変わっても待遇が変わらないのが現状である。
待遇が悪ければ、スタッフのレベルも下がってくる。
介護職には資格が必要でない場合もあり、無資格者が介護スタッフとして働いている施設は多い。
無資格であるということは、本来の「介護」に関する勉強の機会がなく、オムツ管理、力任せの介助、シャワー浴など、その施設で行われている状況を当り前のものとして受け入れてしまう。
すなわち、介護の質も下がってくる。
介護の質が下がれば、要介護度や認知症の症状が悪化するのである。
グループホームの本来の機能は何だったのか?
なぜ、このような状況になってきているのか?
すべては、グループホームの急激な増加にある。
経営を成り立たせるためには、2ユニットで16室以上の利用が必要という。
自立している軽度認知症で、グループホームに入居する方の人数は限られている。
したがって、経営を成り立たせるためには、要介護度が高い方を受け入れざるを得ない。
また、自立している軽度認知症の方が入所しても、数年で要介護状態となる。
グループホームが乱立したために、すなわち過剰に開設を認可したために、グループホームは本来の機能を果たせなくなったように思う。
介護保険では、グループホームは「居宅」に分類されるが、実際には「施設」と化している。
平成18年4月からは、許認可権が都道府県より、保険者である市町村に移行する。
市町村によっては、これ以上の認可は難しくなるであろう。
これからのグループホームの役割はいったい何なのだろうか?
 
尾崎総合企画
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