療養型病棟が変わる(後編)

これからの療養型は、医療区分2、3の患者を重点的に入院させていきます。
医療区分1の患者は、老人保健施設へと流れていきます。
もちろん、受け皿は不足しています。
ただ、これまで15:1入院基本料を算定していた病院が抱えていた患者が療養型に流れるということは、15:1入院基本料を算定していた病院のベッドが空いてくるだけでなく、医療区分1の患者を受け入れない療養型のベッドも空いてくることになります。
すると、医療区分1の患者を受け入れるか、老人保健施設に転換するのかという選択が生まれてきます。
これが、厚生労働省が描いているストーリーです。
全国に約38万床ある療養病床は2012年度初めまでに15万床に削減。
減らす23万床分は老人保健施設や有料老人ホーム、在宅療養などに移行させるという方針がわかりますよね。
医療費はパンク状態です。
もはや一刻の猶予もないのです。
権利を求めるには、義務を果たすことが必要です。
日本医師会をはじめ、各団体が求めているような、高い診療報酬、高齢者負担を抑えるという権利を求めるには、保険料アップ、消費税アップという義務を受け入れる必要があります。
権利と義務は一体なのです。
これから療養型病棟がめまぐるしく変わってきます。
のんびりと過ごしてこられたスタッフは、変化についていけなくなるかもしれません。
気を引き締めて、7月からの新制度に取り組んでいただければと思います。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch