2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

食卓にご飯の香りを!

病院の食事は味気ないものです。 3日も食べていると、家庭の味が恋しくなります。 もちろん、厨房は頑張っているのですが、様々な制度やシステムが、味を落としてしまいます。 まずは、調理の際の中心温度は、75度以上で1分間以上という決まり。 これを守る…

PDCAサイクル

先日出された、「医療計画の見直し等に関する検討会」ワーキンググループ報告書の中に、面白い項目があった。 いくつかの問題点の指摘の中に、 ・今後は計画の作成のみで終了とせず、「作成→執行→評価→次期計画への反映」を一つの循環とする という項目があ…

急性期分離のその後は?(後編)

世界の平均在院日数は10日前後でやっているではないか? ナーシングホームは、日本の老人ホームと同じ役割ではないか? しかし、日本と世界は医療の根本が違うのである。 日本では、医師以外に「医療行為」をほとんど認めていない。 看護師の業務を見てみて…

急性期分離のその後は?(前編)

現在、医療においては、急性期病床、回復期リハビリテーション病床、療養型病床の分化が進んでいる。 特に急性期病床と回復期リハビリテーション病床には、高い保険点数をつけ、政策誘導が行われている。 急性期病床の平均在院日数は徐々に短縮化されている…

台風と院外処方

今年の台風は異常ですね。 8月から10月までほとんど同じコースを通っていくなんてありえないことです。 全国の被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。 さて、これだけ暴風の中でも、病院や診療所という所には必ずや患者が来院しています。 1日ぐらい…

この文章を読んでどのように考えるか?

非常に面白い文章を読んだのでご紹介する。 ビル・トーマス氏の著書:Life Worth Living P17〜18の要約である。 転載させていただくことをご了承願いたい。〜親切な砂漠のカインド氏の話〜昔、ある旅人が砂漠を横断中、激しい砂嵐に見舞われた。 水も食料も…

車椅子にタイマーを

車椅子に乗っているお年寄りは自分で移動できないことが多い。 当然、その場合は看護師や介護福祉士などに、移動をお願いすることになる。 病院でよく見かける風景なのだが、車椅子のお年寄りが「ほったらかし」にされていることがある。 例えば、検査等のた…

ゴールドプラン(後編)

前回からの続きです。その目標に向け、グループホームの整備、地域リハビリテーション、介護予防、居住環境の整備、福祉用具の普及、多用な事業者の参入促進などは、このプランに基づき、忠実に実行されたのである。 当時の厚生労働省の皆様の計画性と、それ…

ゴールドプラン(前編)

いつから医療・介護界は厳しくなってきたのであろうか? 財源の圧縮、税金、保険料の増加、診療報酬、介護点数の減少、人員規定、施設規定の厳格化・・・。 最近は明るい話題が見つかりにくい。 現在の医療・介護システムは、ゴールドプランに沿って進められ…

介護保険制度の見直しについて(4/4編)

前回からの続きです。○17ページ目 最後に、財源が足りない介護保険における、被保険者・受給者の範囲が問題となってくる。 現在の介護保険制度では、40歳以上の者から保険料を徴収し、65歳以上の高齢者が利用するという制度である。 すでに、保険料は20歳以…

介護保険制度の見直しについて(3/4編)

前回からの続きです。○8、9ページ目 給付を効率化・重点化するためには、「予防重視型システム」への転換は避けて通れない。 現在、要支援と要介護1の人数は全体の5割近くに達している。 この両者は、時期改定では現在の介護保険制度が利用できなくなること…

介護保険制度の見直しについて(2/4編)

前回からの続きです。○4、6、7、10、11、20ページ目 介護保険の最大の目的は、在宅誘導である。 そのため、訪問系、通所系サービスの増加に向けて誘導を行っている。 たしかに、介護保険利用者297万人(2004年1月)のうち、75%の223万人は在宅サービスの提…

介護保険制度の見直しについて(1/4編)

平成16年9月末、厚生労働省 介護制度改革本部より、「介護保険制度の見直しについて」のパンフレットが公開された。 皆様はもうご覧になられたであろうか? 厚生労働省のホームページよりpdfファイルにてパンフレットを閲覧することができる。 http://www.mh…

「洗濯ヘルパー」問題解決!?

先日、徳島県上勝町の「洗濯ヘルパー」問題を取り上げた。 クリーニング店が1店もないこの町で、お年よりの洗濯負担を軽減するため、コインランドリーや家庭用洗濯機で洗濯をしてあげようという試みが、クリーニング業法に抵触するため、提案が拒否されたと…

保険料は20歳から!障害者福祉と一元化へ!

ついにというか、やはりというか、厚生労働省は、介護保険と障害者福祉を一元化する案を固めた。 障害者施策に介護保険制度を活用しようというものだ。 介護保険制度を利用すると、現在65歳以上というサービス利用者の年齢制限を事実上、撤廃することになる…

進む院内禁煙(後編)

前回からの続きです。タバコが吸えないとなると、どうしても吸いたくなるのが人間の心情。 堂々と吸えないなら、隠れて吸おう!ということになる。 このあたりは、中学・高校生の喫煙方法とまるで大差がない。 トイレで吸ったり、布団にもぐって吸ったり、と…

進む院内禁煙(前編)

健康増進法により、公共施設では分煙もしくは禁煙となった。 空港、JR、役所を始め、医療機関でも分煙、禁煙が進んでいる。 ここ1〜2年、排煙設備が整った喫煙室の設置が多く見られるが、この喫煙室もどうやら長くは設置できないようだ。 厚生労働省のビジョ…

介護タクシー変遷(後編)

前回からの続きです。ようやく現実に見合った制度になってきたのだ。 現在の医療・介護制度が目指すところは、「在宅」である。 独居、老夫婦世代が圧倒的に多い現代において、活動の幅を広げる介護タクシー制度は必要不可欠である。 特に必要な外出は「通院…

介護タクシー変遷(前編)

介護保険が使えるタクシーがある。 今や、あちこちで見かけるようになった介護タクシーだ。 この制度、もともと介護保険になかったものであるが、制度の解釈により生まれた副産物として急速に全国に広がった。 法律が後からついてくる典型的なパターンである…

一般病床入院基本料II群3の行く末(後編)

前回からの続きです。1.〜5.までの選択枝の他にも、次のような方法もある。 6. ホスピス(緩和ケア病棟)に転換する。 7. 難病病棟に転換する。 この6.と7.というのは、全国でも圧倒的に不足している病床である。 すなわち、多くの人がベッドの空きを待って…

一般病床入院基本料II群3の行く末(中編)

前回からの続きです。II群を算定している病院というのは200床以下の中小病院がほとんどであり、地域に根ざした病院であることが多い。 1.2.を選択することは、広域から患者を集めることが主体であり、ある意味では地域の患者を無視していかなければならない…

一般病床入院基本料II群3の行く末(前編)

平成18年4月を持って、一般病床の最低看護単位は3:1となる。 これは、入院基本料II群4、5の廃止を意味する。 今時3:1と驚かれた方、皆様の病院はいわゆる200床以上の大病院ですね。 入院基本料I群1、2を算定されていて、急性期加算や急性期特定加算なども…