どうなる?介護予防

介護予防が、よちよち歩きながらスタートしました。
まだまだすべての自治体でスタートできていませんが、スタートした自治体では混乱が続いています。
これから団塊の世代が次々と、高齢者といわれる年齢になっていきます。
膨らみ続ける介護費や医療費の伸びを鈍化させるためにも、少しでも健康で元気でいる時間を長くしてほしいという制度です。
介護予防の基本は、通所サービスとなってきます。
外に出て、いろいろな人とふれ合い、体を動かしたり、口腔機能を維持したり、栄養バランスを整えることで、要介護状態になるのを予防することになります。
問題は、介護予防に支払われる報酬がとても低いことにあります。
今回、初めて実験的に導入されたのが、包括点数。
これだけの金額の中で、1ヶ月のサービスを提供してくださいというものです。
介護予防の通所サービスを見てみると、介護保険の通所サービスと比較すると、週に1回や2回分の報酬しかありません。
制度をつくられた方が、予防は週1、2回の活動でよいと判断したのか、はたまた、予防レベルの方は週1、2回しか通所されないと考えたのか?
とにかく、サービス提供が維持できるのか?と思うほどの低い報酬です。
そのような報酬を見て、予防介護の通所サービスを提供する事業所から聞こえてくる声があります。
「午前だけの人と、午後だけの人と、1日2回行えばよいではないか」
これには賛否両論があると思います。
一方では、事業者都合ということがあると思います。
利用者のための介護予防ではなく、収益のための介護予防ではないかということ。
ただでさえ、週1〜2回しか通所しないのに、それをさらに半日にするとなると、通所サービスを受けることの意味がわからなくなってきます。
また、一方では、要支援レベルの方が、朝から夕まで通所サービスを受けることに退屈しないかどうかということがあります。
例は悪いかもしれませんが、一般の方でさえ、スポーツクラブに終日通うことはありませんよね。
予防プログラムは、まだまだ具体化していません。
サービス提供者は、どうしても介護保険の通所プログラムに類似した予防プログラムを作ってしまうかもしれません。
「予防」というのは、概念であって、具体的なものはありません。
本当は制度で縛ってしまうものではないのかもしれません。
これからのサービス事業所の活動に注目です。

尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch