2004-11-01から1ヶ月間の記事一覧

混合診療について考えよう!(中編)

前回からの続きです。2. 混合診療について考える際の3つの大局的な視点 東京大学 先端科学技術研究センター 近藤 正晃 氏・フランスでは社会保障の当事者拠出の原則により、1946年に給付費を返済する返還制度が導入されている。 (ただし、行政規則により定…

混合診療について考えよう!(前編)

現在、混合診療について大議論が展開されている。 様々な団体が様々な意見を述べている。 どの意見もごもっともであり、また、論理的でない面もある。 その中で、平成16年11月17日に開催された中医協で出された2つの考え方についてポイントを紹介する。1. 混…

普段の生活を大切に(後編)

前回からの続きです。ところで、高齢者の昔話を聞いていると、話をした時代から時系列で話がどんどん進んでいくことがある。 記憶とは時系列に整理されているものなのであろうか? 完全に痴呆の状態であっても、昔話は筋道がしっかりとしており、時代背景、…

普段の生活を大切に(前編)

ヨーロッパでは、高齢者が病院で入院をするときには、本人の持ち物を多く持たせるという。 それも、物入れやタンスごと、すなわち数多くの持ち物を持たせるというのである。 これはどういうことであろうか? 持ち物には、一つ一つに「思い出」という歴史が詰…

どこを見ても、カタカナばかり(後編)

前回からの続きです。医療職が、患者や家族に様々な説明を行う際、知らず知らずのうちにカタカナを使っていることが多い。 はい、はいと肯いてはいるが、何のことやらサッパリ分からない。 医師が病状説明を行う際などは、なお難しい。 横文字に、専門用語が…

どこを見ても、カタカナばかり(前編)

突然であるが、以下の言葉が理解できるであろうか?ソリューション、コアコンピタンス コーポレートガバナンス、シナジー プロダクト、ポートフォリオ ベンチマーキング、ロジックツリーでは、次の言葉はどうであろうか?モダリティ、アプリケーション テン…

インフルエンザワクチンを接種しよう!(後編)

前回からの続きです。最も簡便で確実な方法は、職員全員にインフルエンザワクチンの接種を指示することである。 今年の市町村負担の高齢者へのワクチン接種料金は1回約4,000円。 実際は2,000〜3,000円程で接種をしている医療機関が多い。 100人の職員への接…

インフルエンザワクチンを接種しよう!(前編)

今年のインフルエンザ流行は早いようである。 平成16年11月8日には、例年より1ヶ月以上も早く、奈良県五條市内の女性からA香港型のインフルエンザウイルスが検出されたり、小学校では学級閉鎖が起こったりしている。 昨年は、異常なまでのワクチンフィーバ…

現物給付と現金給付(後編)

前回からの続きです。混合診療が解禁された場合に心配されていることがある。 ・新しい最先端技術(新薬を含む)に対して、保険が適用されない可能性がある。 ・風邪や胃痛、眼疾患、湿布薬など、ドラッグストアで薬を購入できる範囲の医療が保険適用外とな…

現物給付と現金給付(中編)

前回からの続きです。さて、話は混合診療に戻る。 医療というのは、保険者からの「現物給付」であるため、保険者が認めた医療機関でしか保険証が使えない。 すなわち、保険医療機関でしか保険診療を受けることができない。 保険診療とはどのような診療かとい…

現物給付と現金給付(前編)

混合診療を語る上で、給付方式の理解は欠かせない。 まずは医療と介護の違いが分かるであろうか? 一般的に、医療は3割の自己負担、介護は1割の自己負担。 割合は違うけれども、同じ給付方法をとっているように見える。 しかし、医療は「現物給付」、介護は…

運転中の電話は絶対にやめよう!!

平成16年11月1日より、運転中の携帯電話の使用が全面禁止となった。 罰金の制度化は、介護の業界にも波紋を広げている。 訪問系、通所系の介護では車の利用が多い。 事業所やケアマネとの連絡や、利用者宅への連絡など、携帯電話は欠かせない道具である。 こ…

製薬メーカーに一言(後編)

前回からの続きです。輸液は種類がたくさんあり、各メーカー毎に微妙に違うから仕方がない!と言われる方。 次の例はどうであろうか? それは、エポエチン(EPO、エリスロポエチン)製剤である。 腎性貧血の治療薬なのであるが、この製剤はαとβがあり、それ…

製薬メーカーに一言(前編)

病医院の医療安全管理体制が制度化(入院基本料減算)されて2年が経過した。 これまでに、薬剤に関する事故が数多く起こってきた。 非点滴用トロンビン製剤の静注、高濃度キシロカイン製剤の静注、カリウム製剤のワンショットなどなど記憶に新しいと思う。 …

患者様という呼称について(後編)

前回からの続きです。姓(名)に対する「様」付けは、受付などでは違和感なく聞こえるようになった。 しかし、診療の場面では非常に違和感を感じ、実際には使われていないことが多い。 「○○様、傷の処置をしましょうね」というように、呼称と、敬語の使い方…

患者様という呼称について(前編)

接遇改善というのは難しい。 ここ数年で、医療機関における「患者様」という呼称が広がっている。 患者サービスの向上のために、まずは呼称からということである。 この「患者様」という呼称が始まった背景には次の説がある。 2001年11月、厚生労働省健康局…

国民医療推進協議会(後編)

前回からの続きです。医療における新技術は、日々進歩している。 そのため、混合診療が導入された場合、最新の技術(国内での安全性は未承認)に関しては自費負担が上がるであろう。 最新の薬剤(国内未承認の抗がん剤など)を使う場合も、自費負担が上がる…

国民医療推進協議会(前編)

日本医師会など医療関連35団体は平成16年10月21日に「国民医療推進協議会」を設立し、混合診療などへの反対を訴える「国民皆保険制度を守る署名運動」を行っている。 各医療機関にも、日本医師会長名で署名運動についてのお願いがきていることと思う。 本来…

処方のみ外来について考える(後編)

前回からの続きです。このような診療の歴史により生まれたのが、「薬だけ欲しい」という患者の既得権である。 「薬だけをもらう」ことが当たり前となり、診察を勧めると「なぜ診察を受けないといけないのだ!!」と怒り出す患者もいる。 受けないといけない…

処方のみ外来について考える(前編)

どこの医療機関もそうだが、「今日はお薬だけで構いません。」という患者をよく見かける。 カルテが医師を通らずに、薬のみがカルテ記載され、診察を受けずとも薬が処方されることが多々ある。 一般人の方々には、「えっ?当たり前のことじゃないの?」と思…