ヘルパー養成校はどうなるのか?

介護職の資格を、国家資格である介護福祉士へ統一していく方針が決まっている。
介護職員の資質に、個々の大きな差があることが原因である。
方針では、2006年度中に、介護保険制度の中にヘルパーと介護福祉士の中間にあたる新たな資格を導入し、一定期間後に新資格を介護職員の就業要件とするとのこと。
現在のヘルパー養成研修は50〜230時間。
介護福祉士の養成課程は1,650時間。
ヘルパーと介護福祉士に差ができるのは仕方がないことである。
そこで、新資格では研修を400〜500時間に充実させる予定である。
新資格が導入されると、ヘルパー資格のままでは仕事につけなくなる(経過措置はあるが)。
現在、多くの施設の介護職員は、介護福祉士よりヘルパーが多い。
訪問系では、特にその傾向は強い。
これは、ヘルパーの方が短時間で取得でき、経費も安いことが原因であるが、それだけに介護福祉士への完全移行はサービス要員の減少を招くため対策が必要となる。
ヘルパー資格の人は、3年間の実務経験を積めば、介護福祉士の国家試験を受験することができる。
しかし、実際にヘルパーから介護福祉士を目指す人は多くはない。
今後、ヘルパーの皆さんが、介護福祉士の国家試験に合格するのか、新資格に向けて300時間近い研修を受けるのかは本人次第であるが、あまり悠長に考えている時間はない。
時期はすぐそこに迫っている。
もちろん、新資格よりは介護福祉士の取得が理想であることはいうまでもない。
3年以上の実務経験があるヘルパーの方はなるだけ早く、国家試験受験に向けた勉強をスタートさせることをお奨めする。
さて、ここで問題となってくるのは、現在のヘルパー養成校、ヘルパー養成講座の行方である。
新資格の養成校、養成講座へと転向することは可能なのであろうか?
こちらの方の条件も厳しくなってくるように思われる。
しかし、介護というのは、もともと素人である家族が行っていたもの。
介護資格が厳しくなっていくというのは、介護が愛情から技術へと移行していくということなのか?
保険を利用して、介護を第三者に任せる時代。
厳しい研修で得た技術に、愛情を上乗せして、質の高い介護を心掛けてほしい。

尾崎総合企画
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