広がれ!脱医療行為

平成17年3月31日、厚生労働省がある意見募集を開始した。
医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について検討し、原則として医行為ではないと考えられるものの明示していこうというのである。
http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p0330-1.html
これまで「医業」については明確な規定がなく、不必要に拡大解釈されていた経緯がある。
そのため、介護の現場において、日常業務が行えず、多大な混乱を招いている。
今回の案では、原則として「医行為」ではないと考えられるものを具体的に示してある。
・体温測定
・自動血圧測定器による血圧測定
・パルスオキシメーターの装着
・軽微な切り傷、擦り傷、やけど等の処置
・褥創の処置を除く、皮膚への軟膏塗布
・点眼薬の点眼、鼻腔粘膜への薬剤噴霧
・一包化された内服薬の内服、座薬挿入、湿布の貼付
・市販のグリセリン浣腸
・爪切り、爪ヤスリ、耳垢の除去
・歯磨き等の口腔洗浄
・ストマの排泄物除去
・自己導尿の補助
以上の行為は、介護の現場でヘルパー等が行っても良いのではないかということである。
よほどのことがない限り、認められることになりそうだ。
以前、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の喀痰吸引が問題となった。
長い間議論されたが、現在は、在宅で療養するALS患者の「吸引」に限ってヘルパー等にも認められている。
しかし、高齢者や他の疾患で喀痰吸引が必要な方には認められなかった。
平成17年3月10日、厚生労働省は医師等の適切な指導など一定の要件の下、ALS患者以外の在宅療養患者や障害者のたんの吸引について、ヘルパー等にも認める報告書を公表した。
近いうちに、ALS患者以外の方にも、ヘルパー等による喀痰吸引が可能となる見込みである。
今回、案で示された項目以外にも、「医行為」とまではいかないのではないか?という行為は多々ある。
今後、多くの議論がなされ、「医行為」ではない行為の範囲が広がっていくことを願っている。
 
尾崎総合企画
http://www.medisofot.jpn.ch