看護クラーク配置のすすめ(前編)

「雑務から開放されて、看護本来の仕事がしたい!」
多くの看護職員から聞こえてくる言葉である。
施設基準による書類の複雑化、平均在院日数の短縮による入退院の増加、看護業務より介護業務が多くなってきている現状・・・。
確かに雑務は非常に増えている。
では、看護本来の業務とは何だろうか?
先日、面白い話を聞いた。
「あなたはいっさい雑務をやらなくていいから、やりたい看護の仕事をしなさい」と指示を出すと、何をやったらよいのか分からないというのだ。
いつの間にか、雑務が仕事になっているのである。
看護が忙しいという理由を聞くと、多くは以下の3点に集約される。
 
・種々の書類や記録が多い。
・処方せん記載やカルテ記載(補助簿)など、医師の仕事が回ってきている。
・移動や移乗、食事介助、排泄介助など、介護の業務が増えている。
 
入院基本料の施設基準では、看護補助加算というものがあり、ヘルパー等の看護補助を入れている病院が多々ある。
看護補助は、本来、看護業務を補助するためのものであるが、現実は看護補助というより雑務を押し付けている感も強い。
看護職員とヘルパーとの間に上下関係があるのだ。
療養病棟などでは垣根が難しくなっているが、一般病棟ではこの傾向がかなり強い。
看護職員の言い分を聞くと、「この仕事は看護本来の仕事ではない」という。
雑務であれば、単価の高い看護師より、単価の安いヘルパーが行った方が確かに効率はよいといえる。
だが、逆に「医師の仕事をなぜ私たちがしなければならないの?」という意見も多い。
もっともな意見であるが、医師側からすると、先ほどの意見と同様、単価の安い看護職員に行わせた方が効率がよいのである。
前フリが長くなったが、結論からいうと、業務分担が明確にできていないのである。
そこで、各病棟に看護クラークを配置することをお勧めする。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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