病院と診療所(後編)

前回からの続きです。
 
病院では、医師の他に、看護職員、薬剤師、栄養士、診療放射線技師などの規定人数の配置が義務付けられています。
診察料や入院基本料の中に、この配置人員の人件費が含まれているため、規定人数を何人にするのかというのが、医療法を改正するたびに問題となってきます。
各団体としては、雇用拡大のために規定人数を多くしたいところです。
診療所では、有床診療所では看護職員の配置が義務付けられていますが、無床診療所では職員の配置は義務付けられていません。
極端に言えば、無床診療所の場合、医師1人がいればよいということになります。
診療所の人員配置について、病院の外来患者あたりの医師配置数については、非常に大きな問題となっており、次回の医療法改正に向けて議論されています。
ちなみに、○○内科、○○小児科、○○クリニックなどのように、病院とも診療所とも名称がついていないものは、すべて診療所となります。
診察の料金についてですが、平成17年4月現在において、初めて受診する際の初診料は、病院が2,550円、診療所が2,740円です。
2回目以降に受診する際の再診料は、病院が580円、診療所が730円です。(200床以上の大病院では720円で検査料などが含まれています)
診療所の方が料金が高いのをご存知でしたか?
現在、大病院を受診する際には、紹介状がない場合、一定の金額を徴収されることになっています。
これは、外来は診療所で、入院は病院で、という政策のためです。
一般の方には知らされていませんけどね。
(医療法では、診療所は特別の理由がない限り、48時間以内の入院となっています。)
大病院で待ち時間が長いのは、まだまだ大病院志向の方が多く、軽い疾患の方が大病院を受診しすぎるからです。
じっくり診てもらいたいのに、3分で診察が終わってしまうのは、その時間で終わらさなければ全員を診察することができないからです。
逆に、地元の診療所であれば、じっくりと診てもらうことも可能です。
まずは、地域の診療所で診てもらって、必要があれば大病院に紹介状を書いてもらうようにしましょう。
かかりつけの診療所を持つことは大切ですよ。
 
尾崎総合企画
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