たかが食事?されど食事?(後編)

前回からの続きです。
 
今回の改定により、同じ内容の食事提供を維持するためには、自己負担を590円〜790円頂く必要がある。
390円分の値上げを利用者に請求できるかどうかは、事業所の考え方次第ではあるが、納得してもらえるかどうかということは別問題である。
食事の内容に合わせるため、500円前後に設定して、不足分を事業所が負担するという場合も多い。
医療・介護とも、保険を利用した食事というのは規制が多く、なかなか安くて美味しい食事を提供するのが難しい。
10月からは全額利用者負担となるため、基本的にはどのような食事を提供しても良いことになる。
しかし、590円〜790円の食事というのはなかなかの金額である。
そうなれば、手弁当で通所される利用者や、出前をとる利用者が現れてくるかもしれない。
自己負担を500円前後に設定した場合、事業所の利益が減るため、食事内容を見直すかもしれない。
食事の質が下がれば、利用者の満足も低下する。
食事はイベントである。
それも通所という「外出先」での食事は、娯楽の一つともいえる。
無料、低価格というのは、一種の魔法のようなものであり、「こんなものか」「安かろう悪かろう」「贅沢は言えん」といった風潮を生み出す。
これからは、利用者の自己負担が上がってくる分だけ、要望されるレベルも上がってくる。
たかが食事、されど食事。
施設、事業所の評価ががらりと変わってくるかもしれない。
皆様の対応はどのようなものだろうか?
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch