診療報酬の引き下げ率決定

平成18年4月からの診療報酬の引き下げ率が決定した。
引き下げ率は全体で3.16%。
薬価・医療材料の引き下げが1.8%であるため、診療報酬本体の引き下げは1.36%ということになる。
一般の方は、たった3%?と思うかもしれない。
だが、3%引き下げというのは、ものすごいことなのである。
診療報酬が3%引き下げられるというのは、すなわち同じ行為をしても、売上げが3%下がるということ。
もちろん、人件費等の原価は変わらないため、利益として売上げの3%が減ってしまうということである。
医療機関の一般的な利益率は5〜10%。
すなわち、利益の30〜60%が何もせずになくなってしまうということなのである。
利益の中には、支払うべき税金と、償還すべき借入れ元金が入っている。
それを支払った残りが繰入金として残るのだが、引き下げにより、そのほとんどがなくなってしまうことを意味している。
そのくらい、3%引き下げというのは、ものすごいことなのである。
ただ、薬価・医療材料の引き下げが1.8%ということは、仕入れ金額を下げることができれば解消する問題である。
しかし、メーカー、卸にとっては、製造費が下がるわけでないため、簡単に値引きをするわけにもいかない。
双方の経営が厳しくなるなか、値段交渉は一段と厳しくなってくるものと考えられる。
大きな問題は、診療報酬本体の引き下げ率1.36%。
院内感染対策、医療安全管理、褥創対策、栄養管理など、医療機関に求められるコストは増大している。
平成18年4月からは、看護配置について具体的に記載する必要が出てくる。
今まで言葉の上でごまかしていた、看護スタッフの数がはっきりとしてくる。
増員して、看護配置を手厚くしなければならない状況も出てくるであろう。
診療報酬が下がるけれども、診療とサービスの質は向上させていかなければならない。
これからの医療は、体力勝負であるとともに、質の勝負となってくる。
今一度、経営方針、業務管理を見直し、よりよい医療機関をつくっていってほしい。
 
尾崎総合企画
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