在宅診療支援診療所という制度(後編)

前回からの続きです。
 
在宅診療支援診療所の要件は、「24時間往診が可能な体制を確保する」こと。
ここで、注意して欲しいのは、次の文章である。
当該診療所内において、又は
・他の保険医療機関訪問看護ステーション等の看護師との連携により、患家の求めに応じて、当該診療所の医師の指示に基づき、24時間訪問看護の体制を確保し
・他の保険医療機関との連携により他の保健医療期間内において、在宅療養患者の緊急入院を受け入れる体制を確保
結局のところ、「連携」という名のもとに、すべてを丸投げしても、診療所に点数が入るようになっているのだ。
これでは「在総診」の教訓が全く生かされていない。
業務負荷とリスクを負うのは、病院や訪問看護ステーションであって、点数を算定するのは診療所、という構図を崩さなければ、真の在宅医療、在宅介護は担えない。
もちろん、努力をされている診療所も多い。
しかし、「在総診」を算定している多くの診療所を見て分かるように、きちんとした夜間体制が取れているところは少ない。
近年、訪問診療専門の診療所が登場してきた。
在宅診療支援診療所という制度は、このようにきちんとした診療体制が取れている診療所に認めるべきである。
現在のところ、在総診の廃止という情報は流れてきていないため、もしかすると、在宅診療支援診療所と在総診を同時に算定できることになるかもしれない。
在宅医療は、中途半端な対応で行ってはならない。
真剣に、在宅医療を考える診療所のためにこそ、在宅診療支援診療所という制度はできてほしいものである。
さて、どのような形で制度化されるのか?
 
尾崎総合企画
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