在宅誘導と介護(前編)

医療制度、介護制度は「在宅誘導」への道を進んでいる。
在宅とは、本来は自宅のことであったが、核家族化、高齢者独居、老々介護など、実際には様々な問題があり、「高齢者用の住宅」を在宅と位置づけるようである。
介護老人福祉施設、介護老人保健施設は、施設介護であるため、在宅には含まれない。)
すなわち、介護付きの「施設」に、高齢者を預ける形となるのだ。
医療においても、介護においてもそうなのであるが、高齢者を預ける家族の態度が、預ける前後で変わってくることがある。
預けるまでは、「短期間でもかまいません。」「落ち着いたら家に連れて帰ります。」「月に数回は訪問します。」と言っていたのが、預けた後には180度、態度を変えてしまう場合が少なくない。
原因としては、生活圏が違う、訪問に必要な時間と費用が足りない、など様々であろうが、大切な高齢者をお預かりしている施設側としては腑に落ちないことが多々ある。
特にひどい例では、家族に訪問依頼や現状報告の電話をかけた際に、「もう電話はかけてくれるな!次の電話は亡くなった時でいい!」と言われたケースを聞いたことがある。
こうなってくると、昔の「姨捨山」と違いがわからなくなってくる。
このような話を聞くと、月に数回の訪問を義務付けてもよいのではないかと思えてくる。
家族訪問がなければ、負担金額が上がってくるというのも、一つの方法なのかもしれない。
最近、「看取り」を行うグループホームが登場してきている。
2004年に医療経済研究機構が調査した「初期から終末期に至るまでの地域に密着した望ましい痴呆性高齢者ケアのあり方に関する調査研究」報告書では、1,192事業所のうち14.4%の事業所が、ターミナルケア(看取り)に取り組んだ経験ありとしている。
厚生労働省が、グループホームなどを、看取りの場として考えているということである。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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