「小規模・多機能型サービス」とは?(前編)

平成17年4月に、介護保険の改定が告示される。
今回の改訂の目玉として、「地域密着型サービス」の創設が挙げられている。
「地域密着型」とは、どうも「小規模・多機能型サービス」のことを指すらしい。
「小規模・多機能型サービス」とは、厚生労働省の言葉をそのまま借りると、
・身近な生活圏域で「通い」「泊まり」「訪問」「住居」などの機能を組み合わせ、継続的・包括的にサービスを提供する
となる。
具体的には1事業所で、通所もショートステイも訪問もグループホームも少しずつやりなさい!ということである。
別の言い方をすると、グループホームはもう1単位しか認めないので、不足する収益は通所や訪問でカバーしなさい!ということでもある。
(さらに、通所は要支援と要介護1は中止しますよ!とのこと)
介護保険は財源不足に悩んでいる。
サービスの整備というきれいな言葉で、財布の紐を締めにかかっているのである。
結局のところ、「小規模・多機能型サービス」とは、すべてのサービスを自分達のみで行うという、自己完結型のサービスである。
これは非常に問題である。
現在、医療においても、機関病院と亜急性期病院、機関病院と診療所というように機能分化を行い、地域全体でサービスを行う、地域完結型の方向にある。
地域支援病院の点数を高くして誘導しているのも、地域完結型の医療を目指すため。
介護においても、もともとは地域完結型のサービスを目指して開始されたはず。
それが、ここにきて「自己完結型サービス」へと誘導されようとしているのである。

字数の関係で次回へ続く。

尾崎総合企画
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