「小規模・多機能型サービス」とは?(後編)

前回からの続きです。

自己完結型になると、事業を安定させるためには、今より一層ケアマネの力、すなわち利用者誘導が必要となってくる。
昨今のアンケート調査でも、所属する事業所にサービス誘導するケアマネが多いという結果が出ており、次回の改定では独立系のケアマネが認められようとしている。
完全に相反するシステムが現在検討されているのである。
現在すでに、「小規模・多機能型」で箱物を建て始めた事業所も出てきている。
利益を追求しないNPOなら、まだ話は分かるが、利益を追求する株式会社、有限会社が「小規模・多機能型」は難しいであろう。
次回の改定で点数誘導されても、3年後には必ず梯子が外される。
採算が合うはずがないのである。
結果的に、営利企業が行うのは「大規模・多機能サービス」
すなわち、現在、介護大手企業が行っていることと全く変わりはないのである。
介護保険サービスは、民間に開放したため急速に広がったが、その結果、予想より早い財源不足に悩まされている。
実際、施設サービスを除いて、サービス供給は過剰ともいえる。
今後、「小規模・多機能型サービス」の名のもとに、中途半端な施設が増えていかないよう願っている。

尾崎総合企画
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