一般病床入院基本料II群3の行く末(中編)

前回からの続きです。

II群を算定している病院というのは200床以下の中小病院がほとんどであり、地域に根ざした病院であることが多い。
1.2.を選択することは、広域から患者を集めることが主体であり、ある意味では地域の患者を無視していかなければならない。
3.は現在流行りであるが、機関病院から「適切な」患者(言葉は悪いが・・・)を安定して送り込んでもらう必要があり、また、将来的に必ず点数が大幅に下げられることが分かっている。
4.については、収益力が極端に落ち、大幅な人員削減リストラを行わなければならない。また、若手から中堅の医師にとって(治療方針が制限されるという意味で)魅力のない病院となる。
5.を選択するということは、病院としてのプライドを捨てることであるためなかなか難しい。病床は19床に削減されるため、大幅な人員削減リストラが必要である。
しかしながら、病院の清算で金銭的余力が生まれるなら、これはある意味で良い方法である。
まず、医師の定数がない。病院では医師1人に対し(定数計算上)1日40人の患者となっているが、診療所では何百人の外来患者を診ようと問題ない。
そして、19床のベッドには平均在院日数が関係ない。従って、何日入院しても構わないのである。
(先日、厚生労働省から正式に入院の48時間制限の無意味化が通達され、入院の制限は皆無となった。)
1ヶ所の巨大診療所とするもよし、クリニックモールとし、医師1人に対して診療所1つをつくり、それぞれに19床のベッドを設置すれば、下手すれば現在の病院よりもベッド数が増えることになるかもしれない。
診療所は無法地帯であるため、これはこれで面白い選択なのかもしれない。
診療所にして、健診なり、透析なり、健康増進施設なり、次の診療所なり、好きな事業を展開すれば収益はいくらでも上がる。
(外来分離だけでも医師の定数は大幅に縮小できる)

字数の関係で次回へ続く。

尾崎総合企画
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