「洗濯ヘルパー」問題解決!?

先日、徳島県上勝町の「洗濯ヘルパー」問題を取り上げた。
クリーニング店が1店もないこの町で、お年よりの洗濯負担を軽減するため、コインランドリーや家庭用洗濯機で洗濯をしてあげようという試みが、クリーニング業法に抵触するため、提案が拒否されたという問題だ。
結論として、特区方式でなく、全国的な解禁とする方針であったが、この度、平成16年10月1日より改正クリーニング業法が施行されたのだ。
この改正内容をまとめてみると、
1.クリーニング業法の目的規定に、「利用者の利益の擁護を図ること」が追加された。
2.クリーニング所を開設しないで洗濯物の受取及び引渡しをすることを営業としようとする車両を用いた店舗(無店舗取次店)が認められた。
 (洗濯物を取りにいく車を店舗としてみなすということ)
3.無店舗取次店は、都道府県に必要事項を届け出ること。
 (取次店の名称、車両番号、車両保管場所、車両の構造、営業区域、営業者の氏名、本籍、生年月日、住所、電話番号、従事者数、などなど)
4.あらかじめ、利用者に対し、洗濯物の処理方法について説明をすること。
5.苦情の申出先となる、名称、所在地、電話番号を書面で配布すること。
の5点が大きなポイントであろうか。
ん?ポイントは、「お年寄りの洗濯を地域で助けること」ではなかったのか?
結局は、仮想店舗を持たせ、しっかりとクリーニング業法に則っりなさいということではないか。
しかし、上記を満たすには、洗濯ヘルパーに1台ずつ車を支給しなければいけないのではなかろうか?
自転車等で洗濯物を受取りに行った場合はどうなるのであろうか?(1台の車両を店舗として届け出たらよいのか?)
法律や制度というのは、なかなか簡便にならないものである。
この「洗濯ヘルパー」、町の事業であれ、本来は近所の人々が、その地区に住むお年寄りの洗濯物の負担を軽減してあげようという取組みのはず。
これでは、お隣のお年寄りを手伝おうと思ったら、町に「洗濯ヘルパー」の登録手続きを行い、町が都道府県に従業者の変更申請を行ってからでなければ活動ができない。
その間、一体何日が必要になるのであろうか?
介護は地域密着型へ誘導されようとしているが、こういった身近なサービスが自由に展開できなければ、真の地域密着はありえない。
今回のような例は、今後、様々なケースで見られるであろう。
「規制」が善意の介護サービスを妨げることがあってはならない。

尾崎総合企画
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