介護保険制度の見直しについて(2/4編)

前回からの続きです。

○4、6、7、10、11、20ページ目
介護保険の最大の目的は、在宅誘導である。
そのため、訪問系、通所系サービスの増加に向けて誘導を行っている。
たしかに、介護保険利用者297万人(2004年1月)のうち、75%の223万人は在宅サービスの提供を受けている。
しかし、25%の74万人で保険給付額の52%にあたる2,318億円を使用しているのである。
療養型+施設サービスの利用者は、要介護4で52.6%、要介護5で59.6%にも登る。
真に必要な介護は、施設サービスなのである。
今後、2015年には「ベビーブーム世代」が高齢期(65歳)を迎え、2025年には高齢者人口は3,500万人となることが推計されている。
また、2015年には高齢者の独居世帯は約570万世帯(高齢者世帯の1/3)、高齢者夫婦のみの世帯も約610万世帯となり、約1,800万人もの高齢者のみの世帯で暮らすこととなる。
2015年であるので、3,300万人中の1,800万人(約55%)である。
とてもではないが、いつまでも在宅で生活することは難しい。
施設サービスはまだまだ足りないのである。
現在、施設サービスはユニット化されていっているが、厚生労働省の試算では、今後平成25年度まで毎年約15,200人分のユニットケア型の施設が整備されていくとしている。(従来型は約840人)
平成15年で約34万床の施設が、10年間で50万床となる計算である。
施設サービスを受けることができる利用者は、要介護4、5がほとんどであるため、1日に約1万円の保険料が支払われる。
すなわち、毎年約550億円程の介護保険料が必要となるということ。10年後には5,500億円である。
現在の制度では、在宅で暮らすより、施設に入所した方が生活費は安く済む。
そのため、ホテルコスト、食事コストを自己負担にして、負担を上げ、在宅へ誘導しようということである。
すでに新型特養では、ホテルコストの徴収が始まっている。
また、施設利用の見直しとして、2〜3ヶ月毎に施設利用と在宅サービスを交互に行う「計画的な定期利用形態」の導入などの案があがっているが、まず実行不可能であろう。

字数の関係で次回へ続く。

尾崎総合企画
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