介護保険制度の見直しについて(3/4編)

前回からの続きです。

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給付を効率化・重点化するためには、「予防重視型システム」への転換は避けて通れない。
現在、要支援と要介護1の人数は全体の5割近くに達している。
この両者は、時期改定では現在の介護保険制度が利用できなくなることがほぼ確定している。
その代替サービスとして登場するのが「介護予防型サービス」である。
要介護者の2年間の状態変化を追跡すると、その状態を維持できているのは、要支援で32.4%、要介護1で45.7%のみである。
この比率を高めることができれば、介護保険の利用が少なくなることは言うまでもない。
各種サービスにも変化が生じてくる。
訪問介護は、「家事代行」型サービスの継続について審議がなされている。
通所系サービスは、通所介護と通所リハビリの一元化が決定している。
今後は、「リハビリテーション中心型」、「痴呆対応型」、「日常生活活動中心型」など機能別に類型化された基準・報酬が検討されている。
1単位20人といった枠や、専従医師の必要がなくなるといった点では、通所リハビリにとっては朗報であろうか。
しかし、一元化され医療色がなくなるということは、現在の「送迎加算を算定しなければ医療可能」という文言も外れるかもしれない。
通所系サービスの食費や入浴についての見直しにも注意が必要である。
福祉用具に関しては、現在の何でもありから、事前の認可が必要となってくる模様。事業者指定制度の導入も検討されている。
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そして、非常に大きな問題は「地域密着型サービス」の創設である。
このサービスは、利用が主として市町村の圏域内にとどまることを前提とし、都道府県でなく市町村が事業者の指定・指導監督、報酬設定を行うことができるのがポイントである。
例として、小規模・多機能型サービス、地域夜間対応型サービス、地域見守り型サービス、小規模居住系サービスなどが考えられている。
越境入所が問題となっているグループホームも、この「地域密着型サービス」に位置づけられる可能性が大きい。
小規模多機能型サービスとは、「通い」「泊まり」「訪問」「居住」などの機能を組み合わせたサービスである。
「地域密着型サービス」というのは、現時点では非常に曖昧である。
市町村の自主性に任せようということであろうが、果たしてどのような形になっていくのであろうか。

字数の関係で次回へ続く。

尾崎総合企画
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