ゴールドプラン(後編)

前回からの続きです。

その目標に向け、グループホームの整備、地域リハビリテーション、介護予防、居住環境の整備、福祉用具の普及、多用な事業者の参入促進などは、このプランに基づき、忠実に実行されたのである。
当時の厚生労働省の皆様の計画性と、それを進めていく行動力に敬意を感じずにはいられない。
そして今年度、このゴールドプランは5ヵ年を終え、その目的を達成する。
その結果、施設は充実したが、完全な予算オーバーとなってしまったのである。
梯子をかけて登らせた後は、梯子を外す。
国の方針の基本であるが、ゴールドプラン終了後の平成18年4月の医療・介護同時改定。
みごとに梯子を外すスケジュールが組まれている。
梯子を外せば、サービスは減少するではないか?
いやいや、活かさず殺さずの調整が診療報酬、介護報酬で行われるのである。
点、単位という考え方は実に調整がしやすい。
ワークシェアリング」という考え方がある。
1人あたりの報酬を減らし、多くの人の雇用を作ろうという考え方だ。
介護の世界は、まさにこのワークシェアリングの世界である。
小さな施設では現場を回すのが精一杯の金額に調整されている。
従って、介護職の皆様の給料が安いのは致しかたがない。
事業所として利益をあげるには、数の論理が必要となってくる。
結局は体力勝負!資本のある事業所のみが少ない利益を集積し、黒字決算を出しているのである。
介護保険改正を含めたゴールドプラン21以降の政策が現在、策定中である。
今後20年間は続く高齢者の増加と財源不足を考えると、時期政策は10年計画などといった長期のプランは難しいであろう。
中期で細かく調整していかなければ制度が破綻してしまう。
政策と税金と企業戦略のすべてが試される時期に、長寿国日本は突入している。

尾崎総合企画
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