車椅子にタイマーを

車椅子に乗っているお年寄りは自分で移動できないことが多い。
当然、その場合は看護師や介護福祉士などに、移動をお願いすることになる。
病院でよく見かける風景なのだが、車椅子のお年寄りが「ほったらかし」にされていることがある。
例えば、検査等のために連れてこられて、「ここで待っててくださいね」といって置いていかれる場合などである。
健常人でもそうであるが、「待つ」という行為は非常に苦痛なものである。
車椅子であれば、待ち時間を確認しにいくことも、少し席を外すこともできない。
通常よりも待ち時間は長く感じる。
「受け」側では、その患者の番が来たときに対処することになるのだが、その間の「放置」時間がどれくらいなのか分からない。
介護施設でも同様である。
「外の風景を見ましょうね」といって窓際へ案内し、そこに「放置」する。
談話室へと案内し、そこに「放置」する。
同じ担当者が迎えに行くのであればまだ良いが、引継ぎを受けた介護者が迎えに行く場合、その「放置」時間がどれくらいなのかは分からない。
介助をする者にとっては、他の業務を行っているため、たいした時間ではないのかもしれない。
しかし、待たされている身には、特に車椅子という狭い範囲で待たされている身には、非常に長い時間である。
その待ち時間、すなわち「放置」時間を、具体的に知る方法がある。
車椅子に市販のタイマーを設置するのだ。
約束事としては、車椅子患者の引渡し時、車椅子利用者から介助者が離れる時、必ずタイマーのスイッチを入れること。
迎えに行った際には、必ずタイマーの時間を確認する。
あなたの予想以上の時間が経っているはずだ。
気持ちは目には見えない。しかし、定量化する方法はある。
試しに1週間だけでも実施してみてほしい。
きっと、多くの問題点が見つかるはず。

尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch