PDCAサイクル

先日出された、「医療計画の見直し等に関する検討会」ワーキンググループ報告書の中に、面白い項目があった。
いくつかの問題点の指摘の中に、
・今後は計画の作成のみで終了とせず、「作成→執行→評価→次期計画への反映」を一つの循環とする
という項目があるのである。
これまでは、事業目標を作成するだけで終わっていたことが多かったということである。
これは、これで大問題なのであるが、ワーキンググループが「作成→執行→評価→次期計画への反映」という文言を書くこと自体も問題である。
なぜか?
この文言、実はPDCAサイクルについて、言葉を変えて記載されているだけのことである。
PDCAサイクルとは何か?
P・・・plan(計画)
D・・・do(実行)
C・・・check(評価)
A・・・action(行動)
このパターンを繰り返していくことにより、よりよい活動が行えるというものである。
ビジネス界ならずとも、どの業界でも常識の単語であり、システムである。
これをわざわざ、「作成→執行→評価→次期計画への反映」というように言葉を変えて、あらためて言うまでもないことなのである。
とはいうものの、医療業界を見渡してみると、このPDCAサイクルが廻っていないことが多いのも現状である。
例えば、日常業務で各種マニュアルや、クリニカルパスを使っていることが多いであろうが、果たしていつ作られたマニュアルやパスなのだろうか?
時代は刻々と変わっています。見直したことはあるだろうか?
本人の業務についてもそうである。
何度も何度も同じミスを繰り返していないだろうか?
昨日の失敗は、本日の糧となっているだろうか?
PDCAサイクルを個人に当てはめると、考える→行動する→反省する→次に活かす、というパターンとなる。
これができている組織や人は日々、少しずつでも成長する。
成長が遅いのは、後半のCAができていないのである。
誰かが考えた制度やマニュアルに従うのは簡単である。
しかし、その考え方を理解して使用しなければ、ただの猿マネ。
改善もされないし、事故も起こる。
日々の活動に、CA(反省する→次に活かす)を取り入れましょう。
何事もこれで完璧ということはありません。
よりよい業務管理を!

尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch