食卓にご飯の香りを!

病院の食事は味気ないものです。
3日も食べていると、家庭の味が恋しくなります。
もちろん、厨房は頑張っているのですが、様々な制度やシステムが、味を落としてしまいます。
まずは、調理の際の中心温度は、75度以上で1分間以上という決まり。
これを守ると、表面は焼けすぎ、魚や肉は硬く、スカスカの味となってしまいます。
食中毒を予防するためには仕方がないことなのでしょうが、味は確実に落ちます。
栄養バランス(カロリー、栄養素)も考慮しなければなりません。
味とバランスを両立させるのはなかなか難しいものです。
そして、大人数の調理をするために、調理から配膳に時間がかかりすぎる点があります。
適時適温加算のため、冷蔵温蔵配膳車を利用していると思いますが、やはりできたてとは違います。
いくら保温していても、時間がたてば味は落ちます。
これは、家庭用の炊飯器の保温を考えていただければ分かります。
翌日のご飯は、味が落ちますね。
グループホームなどの小規模施設は生活の場であるため、病院に比べて自由に食事が作れます。
バイキング形式などを取っているところも多く、自分で選ぶ、好きな量を食べるといったことが可能になります。
出される食事から、選ぶ食事になる。
食欲を増進させるには、非常に大きなポイントとなります。
食事を楽しいものにするために、ぜひ行っていただきたいことがあります。
それは、お釜からご飯を目の前でよそうことです。
炊き立てのご飯の香りが一帯に広がれば、食欲はおおいに促進されます。
この瞬間が、食事の醍醐味ではないでしょうか?
病院でもきっとできるはずです。
食堂がある場合は、一人一人の目の前でご飯をよそう。
病室にもワゴン車にお釜やおひつを載せて、目の前でよそう。
これだけでも食事はおいしくなるはずです。
ぜひぜひ、ご検討ください。

尾崎総合企画
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