患者様という呼称について(後編)

前回からの続きです。

姓(名)に対する「様」付けは、受付などでは違和感なく聞こえるようになった。
しかし、診療の場面では非常に違和感を感じ、実際には使われていないことが多い。
「○○様、傷の処置をしましょうね」というように、呼称と、敬語の使い方が一致しないのである。
様というからには、尊敬語での会話が必要となるはずだが、実際は、よくて丁寧語。
これでは、受け手も話し手も違和感を感じずにはいられない。
まずは、職員の言葉遣い、すなわち日本語の使い方から直していかなければならない。
ただ、言葉遣いと良いサービスは一致しない。
医療機関において、ホテルマンや客室乗務員、百貨店の総合案内員レベルの対応をされては、非常に業務的な冷たさを感じてしまう。
かといって、「お友だち」感覚で話をされては、低く見られているように感じてしまう。
問題は、そこに「愛」と「誠意」があるかどうかである。
こうなると、根底にあるのはその人の人間性が問題となってくる。
医療機関の方々は、この点を胸に手をあてて考えてほしい。
「様」付けに見合った各人の対応があっての、接遇改善である。

尾崎総合企画
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