製薬メーカーに一言(前編)

病医院の医療安全管理体制が制度化(入院基本料減算)されて2年が経過した。
これまでに、薬剤に関する事故が数多く起こってきた。
非点滴用トロンビン製剤の静注、高濃度キシロカイン製剤の静注、カリウム製剤のワンショットなどなど記憶に新しいと思う。
その度に、製薬メーカーは包装を改善し、注意事項が目につくような改善を行ってきた。
注意文字を大きくしたり、包装や文字の色を変更したり、アンプルの形を変えたり、と安全使用のための様々な改善である。
特に、色というものは視覚刺激が強いため、医療安全の観点からは第一チェック事項となる。
そのような中で、未だに改善されていない薬品も多い。
まずは、各種輸液である。
輸液には、リンゲル液(細胞外液)、維持液、TNP輸液、生理食塩水、ブドウ糖液など様々な種類がある。
各メーカーは、それぞれの輸液の口の色を変えて事故を予防している。
バック部分にも工夫を凝らし、口と同じ色をつけるメーカーもあれば、文字の違いを協調するメーカーもある。
問題は、メーカー毎に、色が違うという点である。
看護職が輸液をチェックする場合、まずは口の色を確認する。
もし、違う輸液で同じ口の色があれば、それは取り違い事故の原因となるであろう。
例を挙げれば、某メーカーの維持液と、某メーカーのブドウ糖液の口の色は同じ。
バッグの見た目が違うではないか、といっても、緊急時に口の色だけで判断してしまう可能性は大きい。

字数の関係で次回へ続く。

尾崎総合企画
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