製薬メーカーに一言(後編)

前回からの続きです。

輸液は種類がたくさんあり、各メーカー毎に微妙に違うから仕方がない!と言われる方。
次の例はどうであろうか?
それは、エポエチン(EPOエリスロポエチン)製剤である。
腎性貧血の治療薬なのであるが、この製剤はαとβがあり、それぞれ1社ずつ製造を行っている。
α製剤では、750単位は「ピンク」、1500単位は「オレンジ」、3000単位は「グリーン」。
β製剤では、750単位は「グリーン」、1500単位は「ブルー」、3000単位は「オレンジ」である。
なんと、α製剤の1500単位とβ製剤の3000単位が同じ色、α製剤の3000単位とβ製剤の750単位が同じ色なのである。
これでは両製剤を採用している病医院では、取り違えを起こすなという方が無理である。
このように、他にも様々な薬剤で同様のことが起こっている。
基準の色をどのメーカーにするかということは非常に大きな問題であろう。
他のメーカーは非常に大きな負担を要することになる。
シェアの問題もあろう、先発メーカーのプライドもあろう。
しかし、安全な医療を推進するにあたり、この問題は解決をしていかなければならない。
厚生労働省も、医療安全管理体制を制度化するのであれば、メーカーに補助金を出してでも解決していかなければならない。
国、メーカー、病院が一体となってこその安全な医療である。
近い将来の改善を願うばかりである。

尾崎総合企画
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