インフルエンザワクチンを接種しよう!(前編)

今年のインフルエンザ流行は早いようである。
平成16年11月8日には、例年より1ヶ月以上も早く、奈良県五條市内の女性からA香港型のインフルエンザウイルスが検出されたり、小学校では学級閉鎖が起こったりしている。
昨年は、異常なまでのワクチンフィーバーによるワクチン不足が起こったり、変異株の登場で効果が薄かったりと大変な年であった。
今年は、メーカー4社で約2000万本のワクチンを製造するが、医療機関が販売業者に予約したワクチンは約1800万本に上り、昨シーズンの使用本数を約23.5%上回っている。
昨年は最終的に、約18万2000本のワクチンが返品されたため、今年は半月に1回ずつの在庫調査を行い厳しい管理を行っている。
さて、平成16年11月13日に厚生労働省から面白い調査結果が報告された。
老人ホームなど約400の高齢者施設のインフルエンザ発生状況を流行シーズンに調べたところ、入所者がかかった施設より、職員が罹患した施設の方が多かったというのだ。
病医院や他の介護施設でも調査をすれば、なお面白い結果が出たであろう。
インフルエンザワクチンは飛沫感染である。
飛沫感染とは、咳、くしゃみ、つばなどの飛沫と共に放出されたウイルスを、鼻腔や気管など気道に吸入することによって感染することをいう。
飛沫感染である以上、インフルエンザに罹患した職員が歩き回れば、施設の患者、入所者、利用者に広めて回るスプレッダーと化す。
5年ほど前のインフルエンザ大流行時に、多くのお年寄りが命を落としたが、これなどは職員による感染拡大が原因である。
看護、介護をしているつもりが、高齢者の命を縮めていることになる。
この点について、施設の管理者は早急に対策を立てなければならない。

字数の関係で次回へ続く。

尾崎総合企画
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