混合診療について考えよう!(後編)

前回からの続きです。

さて、2つの考え方を見てどのように考えるだろうか?
前者では、安全性の認められていない医療行為を安易に導入することになるという危険について、人の命および医療を受ける権利は平等であるという考え方について非常に理解がしやすい。
後者では、現在の医療費高沸の主要原因を、老人医療と生活習慣病に置き、その対策として財産がある人からの給付費返還、自助努力を怠った人への負担増を唱えており、非常に理にかなっている。
ただ、現状を把握した上で「効率性」「平等性」「持続可能性」を考えた場合、マクロ的な視野では、やはり後者の方が優れているように思う。
介護老人福祉施設等にて、死亡退去時に多大なる寄付が施設に行われる現状を考えると、現在の公的保険制度に疑問を感じざるを得ない。
また、生活習慣病である糖尿病患者が740万人を超えており、糖尿病患者の医療費が1兆1,250億円(平成14年度)に達し、糖尿病性腎症由来の透析導入が増え続けているのを見れば、やはり自助努力を促すインセンティブは必須でないかと思う。
日本医師会を中心とした国民医療推進協議会が進めてきた混合診療に反対する署名が、600万人分集まったという。
混合診療に対する考え方は賛否両論。
賛成する署名を集めれば何票集まるかは分からないが、データというのは平等に扱う必要がある。
混合診療解禁および反対運動は、患者のためなのか、医療従事者のためなのか、はたまた人々の財布の中身のためなのか?
日本国民全員が胸に手をあてて考えなければならない問題である。

尾崎総合企画
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