キシリトールはなぜ歯によいのか?(前編)

前回からの続きです。

もう一つの作用として、歯の再石灰化の促進がある。
キシリトールは唾液の分泌を刺激する。
分泌液は酸の中和を促進させ、さらに唾液中のカルシウムがエナメル質と結び付き、歯の再石灰化を活発にする。
このような理由から、虫歯の原因になりにくい、歯を丈夫で健康にする、ということをうたっているのである。
(最近のガムでは、各メーカーが知恵を絞り、さらに歯の再石灰化を高めるための成分を配合している)
実際に、フィンランドの実験を見てみると、2年間砂糖をすべてキシリトールにきりかえた人たちは、虫歯の数が0に近い数字であったという報告がある。
もう一つ、フィンランドの実験で、砂糖をそのまま使った食事をし、寝る前ににキシリトールガムを咬ませた人たちは、咬まなかった人たちに比べ、80%むし歯が減ったという報告がある。
このように理論的にも、実際の研究でも虫歯予防に効果のあるキシリトールであるが、気をつけなければならないことは、虫歯の発生が少なくなったという研究はあるが、虫歯が全くできなかったという結果は出ていないため、過信は禁物であるということである。
フィンランドでは、50%以上キシリトール含有のものが、虫歯予防に効果があるとされている。
しかし、キシリトールは値段が砂糖の10倍するため、キシリトール配合を謳っているほとんどの商品には価格を抑えるため、実は他の甘味料が含まれているものもあるのである。
従って、先ほどの研究のように、夜寝る前にガムをかんでも、製品によっては虫歯予防にはならず、逆に虫歯の発生原因となる可能性もある。
(特に注意すべきは「砂糖」「水あめ」と記載されているもの)
正しい知識と、きちんとした製品を選んで、歯の健康を大切に!

キシリトール製品成分表(東京予防歯科研究会ホームページ)
http://www1.doc-net.or.jp/~prevent/xylipercent.html

尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch