会議は踊る(後編)

前回からの続きです。

必須ではないが、さらに多くの会議が開催されている。
まず、医療制度の方向付けとして、一般病院では平均在院日数の短縮化が進んでいる。
そのためにクリニカルパスを導入している医療機関も多いことであろう。
このパスは常に検討しつづけなければならないため、検討会議が行われる必要がある。
次に、医療はサービス業という認識が強くなってきている。
これは非常に素晴らしいことであり、接遇強化のための接遇委員会を開いているところも増えてきている。
さらに、輸血を行っている医療機関では輸血療法委員会、医療ガスを利用している医療機関では医療ガス安全・管理委員会、適切な診療録記載を推進するための診療録管理委員会、よりよい食事を提供するための給食委員会、適切な栄養管理を行うためのNST委員会、退院患者のケースカンファレンス、総合リハビリテーションを算定している医療機関の総合計画評価委員会などなど。
その他、様々な小委員会、カンファレンスが数多く開催されていることと思う。
日々、会議、会議、会議。
より専門的な医療、より質の高い医療、よりQOLの高い医療を目指せば、必然的に会議は多くなる。
大病院であれば会議メンバーの確保も容易かもしれないが、小病院、診療所では人数的に限界がある。
よりよい医療を行うための会議の開催が、実は現場の人員不足を引き起こし、結果として医療の質が低下することもある。
問題なことに、これらの医療の質を高めるための会議に保険点数がついていないということである。
冒頭の会議は「加算」でなくて「減算」。
他の会議は一部を除き無報酬。
これでは医療の質を上げるために必要な、十分な人員の確保なぞできるはずもない。
日々、医療事故や院内感染、社会的入院などの問題が新聞を賑わせている。
皆、多大なる努力をしているのである。
それに対する報酬というのは絶対に必要である。
医療費削減も分かるが、マンパワーを確保するための加算が必要なのである。
次期、診療報酬改定に期待したい。

尾崎総合企画
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