いわゆる在総診について(前編)

※今回のコラムでは、制度の「悪い面」のみを強調させていただくことをご了解頂ければと思います。

「在総診」というものをご存知であろうか?
正確には、寝たきり老人在宅総合診療料という。
医科点数表の解釈 平成16年4月版(社会保険研究所)の582ページに記載されているのでご覧頂きたい。

※寝たきり老人在宅総合診療料(1ヶ月に1回のみ算定)
 イ 院外処方箋を交付する場合 2,290点
 ロ 院外処方箋を交付しない場合 2,575点

これは診療所にのみ認められた施設基準である。(病院では算定できない。)
どのような内容かというと、寝たきりのお年よりに、
1. 在宅療養計画を策定し、計画的な医学的管理を行う。
2. 1ヶ月に2回以上訪問診療を行う。(在宅患者訪問診療料830点は別に算定できる。)
3. 寝たきり老人訪問指導管理料430点、検査料、投薬料は含まれる。
4. HOT、HEN、HPN、在宅自己注射等の点数は含まれる。

といったものである。
例えば、月に2回の訪問診療を行えば、院外処方箋を交付した場合、
2,290点+830点+830点=3,950点
の保険点数となる。
1点は10円であるため、外来患者1人に2回の診療を行っただけで、月4万円弱の診療報酬が入ることになる。
急性期病院の外来単価(1人1日あたり)は、約12,000円。
単純に2倍しても、約24,000円である。
これは、初診患者が多い上に、種々の高額な検査を行った結果でもある。
それから考えると、この在総診の金額は、異常なまでに高額である。

さらに、この点数には次の項目がある。

5. 1つの患家に対象となる患者が2人以上いる場合は、それぞれの患者について算定できる。
6. 他の医療機関に、緊急時の入院体制をとってもらえば、緊急時入院体制加算として100点を加算できる。
7. 他の医療機関に、自らが診療しない時間帯の対応を依頼することにより、24時間連携体制加算として1,400点を加算できる。(診療情報の提供が必要)

字数の関係で次回へ続く。

尾崎総合企画
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