検査システムを見直そう!(後編)

前回からの続きです。

理想を現実とするためには、検査システムを導入する時点で機能を盛り込んでいかなければならない。
ポイントは、注意すべきポイントをあらかじめ登録しておくことにより、異常値発生時に緊急通報されるようにすることである。
例えば、肝障害の恐れがある薬剤を処方し始めたとする。
処方を始めて最初の数ヶ月は注意して肝機能をチェックするであろう。
しかし、数ヶ月が経過すると次第に注意力が低下してくる。
この注意力が低下しているときこそが危険である。
そのため、薬剤処方時、患者情報マスターに「肝障害観察」等のチェックを入れるようにする。
すると、肝機能に若干の異常が検出された際、主治医に緊急通報メールが自動送信されたり、電子カルテで患者のカルテを開いた際に「肝機能注意」等のポップアップ画面が表示されたりするのである。
この機能は、患者情報マスターの「肝障害観察」のチェックが外されるまで継続されるため、決して見落とすことがない。
このようなチェック項目をいくつも設定しておくことにより、見落としの危険性は非常に低くなると考えられる。
紙のカルテでは、危険性がある患者全員にチェックを行い、観察を継続していくことは至難の業である。
電子カルテシステムを構築していく際には、コンピュータの利点を最大限に生かすことが必要である。
さて、皆さんの電子カルテ、検査システムはどのようになっていますか?
コンピュータの利点は、集積されたデータから必要なデータを自動的に引き出してくれることにあります。
システム導入、または次回のシステム更新時期には、是非、このような検査システムを構築してみてください。

尾崎総合企画
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