看護を見直そう!(後編)

前回からの続きです。

パンフレットの4ページ、表2-1に「看護技術についての到達目標」が掲載されている。
いわゆる「看護」業務の一覧である。
あまりに多いので、大分類のみ掲載すると、
 
環境調整技術、 食事援助技術、 排泄援助技術
活動・休息援助技術、 清潔・衣生活援助技術
呼吸・循環を整える技術、 創傷管理技術、 与薬の技術
救命救急処置技術、 症状・生体機能管理技術
苦痛の緩和・安楽確保の技術、 感染防止の技術、 安全確保の技術
 
ということになる。
この中で、介護職を含めた他の医療職に依存が見られる技術を具体的に挙げてみると、
 
ベッドメーキング、 食事介助、 排便援助、 摘便、 移動介助、 体位変換
清拭、 口腔ケア、 入浴介助、 おむつ交換、 寝衣交換、 整容
関節可動域訓練、 廃用性症候群予防、 転倒転落防止策の実施
輸液ポンプの管理、 無菌操作の実施
 
などがある。
いかがであろうか?本来の看護業務として考えていなかった内容も多いのではなかろうか?
看護とは、医療行為だけでなく衣食住そのものでもあるのである。
ナイチンゲールの「看護覚え書き」にも記載されている通り、
「病気というのは患者自身が治す。そのためには、食事、睡眠、換気、騒音、温度などの療養環境を適切に保つ必要がある。」
これこそが看護の原点なのではなかろうか?
新人教育は大切であるが、その前に自分自身の教育が必要である。
教育の前提には、看護業務とは何か?ということを理解する必要がある。
そして、その看護業務の本質、原点を理解する必要があるのである。
原因と結果、すなわち、理由と活動はイコールの関係にある。
日々の自らの看護活動には、その理由が存在する。
理由を把握した上で、看護活動を行わなければ、その活動に意味はなく、患者のためにもならない。
少し哲学的になってしまったが、このパンフレットを熟読し、よりよい看護を提供してほしい。

尾崎総合企画
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