「営利」について理解しよう!(後編)

前回からの続きです。
 
医療も事業である以上、優秀な医師、スタッフを雇い、高額の検査機器を購入し、建物のアメニティを良くしていこうとすれば、当然ながら「利益」が出なければ成り立たない。
利益を出し、税金を払い、残ったお金で、よりよい医療を提供するために投資するのである。
もし、利益自体がダメだというのであれば、税金を払う必要はないであろうし、逆に税金が投入されなければならない。
繰り返すが、「営利」とは配当の禁止を意味する。
従って、医療法人がいくら儲けようと、その利益は法人に蓄積していくだけであり、社員(会社でいえば株主)に還元されることはないのである。
「利益」は決して悪いものではない。
より良い医療を提供し、適正な利益を得ることにより、さらに医療環境は良くなっていくのである。
一般の企業でも、企業ブランドを高めるには綺麗なオフィスが必要であろうし、より仕事ができる人間には高い給料を払う。
医療法人も何ら変わりはないのである。
医療法人にも、社団医療法人、財団医療法人、特定医療法人特別医療法人と様々な形態がある。
特定医療法人特別医療法人以外は、税制で優遇されることもなければ、収益事業を行えるわけでもない。
配当ができないだけで、一般企業と同様である。
現在、厚生労働省では「認定医療法人」の創設に向けて、「医業経営の非営利性に関する検討会」を開催している。
今後、この検討会の内容がニュースで流れてくるであろうが、皆さんは「営利」と「利益」の違いをしっかりと認識して考えてほしい。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch