医療における人事交換(前編)

どの医療機関においても、余剰人員を抱えているところは少ない。
ギリギリの人数で業務を行うため、1人でも欠員が出ると業務への影響は大きい。
また、大病院での勤務志向がまだまだあるため、小病院では優秀な人材確保が難しい。
このような問題の解決策として、複数の医療機関でグループを組むことはできないのだろうか?
スタッフをグループ化するメリットは大きい。
第一に迅速な欠員補充が可能である。
第二に、様々な医療機関で働くことにより知識と技術の向上が見られる。
井の中の蛙大海を知らず、と言うが、医療機関では結構見られる光景である。
大病院から小病院までグループ化することができれば、総論から各論までの経験が可能である。
地域の医療レベルの向上を考えると非常に良いことだと思う。
医療機関のスタッフ、特にコメディカルの悪い面として、他の医療機関のスタッフとの繋がりが少ないことが挙げられる。
ましてや、他の職種ともなると面識が全くないことが多い。
同じ医療機関の中でさえ、他の職種との交流は少ない。
人事交流することにより、人脈が拡大していくことは良いことではなかろうか。
このようにグループ化は非常に良いことだと思うのであるが、実施に向けて様々な障害が待ち構えている。
まずは、勤続年数、すなわち退職金の問題。
現在のシステムでは、別法人への異動となれば、一旦退職をしなければならない。
日本の年金制度は長く勤務するほど優遇される制度である。
そのため、別法人へ異動を命ぜられれば、得られる退職金は非常に少なくなってしまう。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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