通所看護について考える(前編)

次回の介護保険の改正で、通所看護というものが生まれる。
デイサービスとは違い、訪問看護ステーションの事業となる。
現在、モデル事業が全国各地で行われているが、訪問看護ステーションの事業である以上、少数の利用者に厚い看護を行うこととなる。
通所看護の実施要件としては、
・1単位5人以下
・3名に対して常勤1名
・介護職混在勤務可能
・利用料、食費、送迎込みでの単価決定
という案が聞こえてきている。
これを見ると、かなり濃厚な人員配置が必要であると考えられる。
介護職が混在勤務して良いということであるが、常時1名の看護職は必要となってくるため、介護職というのは過剰人員となる可能性もある。
この要件で、いったい通所看護の単価はいくらになるのであろうか?
 
1単位5人のため5ベッドを持つとすると、常時2名の配置が必要となってくる。
常時2名の体制を取るには、計算上2.5名、実質的に3名のスタッフが必要となる。
必ず看護師は必要であるため、3名のスタッフのうち、介護職で補えるのは1名のみである。
全員が看護師であると考えると、年収400万円とすると、年間人件費は1,200万円。
日曜日のみ休みとすると、年間に約310日は通所看護を実施することになる。
常に5名の利用者があったとすると(ありえないが・・・)、延べ利用者数は1,550名。
1,200万円を1,550名で割ると、約7,740円。
療養室やベッド、送迎者、パソコン、システム、事務所等の経費を考えて、人件費率40%とすると、
7,740円÷40%=19,350円
食費が600円、送迎が1,000円とすると、合計で20,950円。
この金額が最低の単価(1回の通所看護単価)となってくるのではなかろうか。
実際には毎日5人のベッドを埋めることは不可能であるから、稼働率80%とすると、単価は26,200円。
他の通所系サービスの約2.5倍の単価である。
もちろん、通所である以上、半日(朝から夕まで)の単価である。
こうなってくると、入所した方が安いのではないのか?という意見も出てくる。
 
次数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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