トリアージとは?(前編)

地震津波、大雨など、昨年は様々な天災が起こりました。
テレビドラマやドキュメント等でも、災害をテーマとしたものが幾つか見られ、改めて危機感を感じます。
そんな中、先日も福岡県西方沖を震源とする地震が発生しました。
皆様にケガがなかったことを願っております。
さて、災害時には、医療機関には多くの負傷された方が運ばれます。
災害の程度にもよりますが、非常時なだけに、ベッド不足、医薬品不足、医療用品不足、そして人材不足という事態が生じます。
医学書院から出ている看護雑誌「看護管理」の2月号に、新潟県中越地震台風23号災害時の救援活動が特集されています。
実際に被災の渦中にあった病院での対応がリアルに書かれてあり、ぜひご覧いただきたい雑誌です。
この雑誌を熟読の上、普段の災害対策、訓練を行われるのが良いと思われます。
この特集の中で何度となく登場する言葉に「トリアージ」というものがあります。
テレビドラマでも使われましたので、多くの人が聞いた言葉かと思われます。
トリアージとは、「災害時などに多数の傷病者が同時に発生した場合、緊急度や重傷度に応じて、治療や搬送の優先順位をつける」行為のことをいいます。
様々な患者が同時に来院するため、一般の診察のように来院順に対応していたのでは、救える患者が少なくなってしまうのです。
限られたベッド、医薬品、医療用品をどのように配分するのか、手術は誰から行うのか、救急車で搬送する順番はどのようにするのか?
この判断を瞬時に行っていかなければなりません。
この判断がトリアージであり、トリアージを執り行うのはトリアージオフィサー(実施責任者・指揮者)の仕事です。
トリアージには通常「トリアージタッグ」と呼ばれる色のついた識別表を用いて行います。
 
第1順位 最優先治療群 赤色 直ちに治療・処置が行われないと死亡するもの。
第2順位 待機的治療群 黄色 重症だが短時間であれば状態が安定しており生命に危険がないもの。
第3順位 保留群 緑色 軽易な傷病で致命的ではないもの。
第4順位 死亡群 黒色 既に死亡しているもの、直ちに処置を行っても明らかに救命が不可能なもの。
 
次数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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