有給休暇について考える(後編)

前回からの続きです。
 
病棟の看護スタッフでも考えてみよう。
40床の病棟で20人の看護スタッフがいるとする(2対1看護)。
2交代制で夜勤2人体制の場合、日勤帯の人数は平均10人となる。
ここで、20人全員が毎月1日の有給休暇を取るとすると、
日勤帯の人数は、9.3人となる。
実感しにくいであろうか?
簡単に言えば、20人全員が月に1日の有給休暇を取ると、予定勤務日数から抜ける日数は20日
20日といえば、1人1ヶ月の勤務日数とほぼ同じ。
すなわち、19人で勤務していることと全く同じなのである。
「人が足りなくて忙しい!スタッフの補充をして欲しい!」と連発している部署の看護スタッフの皆様。
毎月全員が平等に(?!)、有給休暇を取っていないだろうか?
人を増員したらしたで、それではと、月に2日の有給休暇を取ったりしていないだろうか?
これでは、何人増員しても同じことなのである。
 
有給休暇は労働者の権利であるが、医療職の場合は、全体を見渡して適切に取っていく必要があるのではなかろうか?
権利と義務のバランスが大切なのである。
最期に、部署の都合に関係なく、有給休暇を自由気ままに取っている方を見かけるが、下記の法律もしっかりと覚えておこう。
 
労働基準法 第39条4
使用者は、前3項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。
ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
 
医療機関や部署の責任者から「その日は忙しいので別の日にしてほしい」と言われた場合には、患者さんのためにも仕事を優先しましょうね。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch