有給休暇について考える(前編)

労働基準法 第39条
使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。
 
年次有給休暇(以下、有給休暇とする)は、労働者に対して法律で定められている権利である。
通常の休日と合わせて、旅行に行くのもよいし、研修に行くのもよい。
リフレッシュして、仕事への意欲を高めていただければと思う。
ただ、医療職の場合、職種や部署により、有給休暇に対する感覚が変わってくる。
十分な数のスタッフがいる部署や、労働日数と売上が比例しない部署では、有給休暇は取りやすい。
逆に、少人数の部署や、労働日数と売上が比例する部署では、有給休暇は非常に取りにくい。
 
例えば、リハビリテーションのスタッフで考えてみる。
部署に10人のスタッフがいるとする。
リハビリテーションのスタッフは、1日に18単位分の業務を行うことができる。
経営上から、どの施設でも1人1日平均16単位以上は実施していると思われる。
患者側にとって、リハビリテーションは毎日行うのが理想である。
この部署で、全員が月に1日ずつ有給休暇を取るとすると、
10人×16単位=160単位
毎月160単位分のリハビリテーションを患者が受けられないことになる。
経営上はどうであろうか?
施設基準(I)を取得している施設では、1単位が250点、すなわち2,500円である。
10人×16単位×250点×10円=40万円
毎月40万円もの売上が減少することとなる。
年間では、40万円×12ヶ月=480万円
軽くもう一人のスタッフが雇えてしまうのである。
(施設基準(II)の場合は、年間約350万円)
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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