普及するのか?電子カルテ(前編)

厚生労働省は、現在1割弱にか普及していない電子カルテを、2006年度末までに6割へ引き上げることを目指している。
導入を促進するため、2003年の診療報酬の改定で、診療情報の提供等への加算を検討中である。
正直なところ、この計画はかなり難しいと思う。
理由は簡単、電子カルテの様式が全く整っていないからである。
レセコンが様々なメーカーで作られていて問題ないのは、レセプトという様式が決まっているからである。
そのため、どのメーカーが作ってもゴールは同じである。
しかし、電子カルテは違う。
例えば、メーカーが違うだけで既存のレセコンと接続できないことも多い。
データベースの様式がバラバラであるからだ。
電子カルテの最終的な到達点は、全国1カルテでなければならないと思う。
例えば、A病院で診療を受けていて、B病院に転院になった場合、患者カルテをそのまま移行することができれば、過去の診療についても詳細に把握することができるし、無駄な検査をする必要もない。
そのためにはASP型の電子カルテの構築が必要となる。
ASP(Application Service Provider)とは、インターネット等を介してソフトウェアやサービスを利用する方法のことをいう。
いつでもどこでも誰にでも情報にアクセスすることが可能になるのだ。(セキュリティ管理は必要であるが)
よく、患者に暗号化した電子情報を渡して、紹介先病院に行ってもらうような話しが出てくるが、こんな面倒くさい方式が普及するはずはない。
電子カルテを中央サーバーに設置し、すべての医療機関がサーバーにアクセスして情報を見れるようになれば、患者は全国どこの医療機関でも安心して治療を受けることができるようになる。
亀田総合病院グループが、PLANET(南房総地域医療ネットワーク)というASP電子カルテを利用している。
ホームページによると、
PLANETの地域医療機関間での医療情報共有システムの基礎部分は、平成13年度の経済産業省の委託事業「電子カルテを活用した地域医療連携推進事業」のもとで構築され、その発展機能(画像共有・検査予約)および患者さまとの医療情報共有部分は、平成14年度の厚生労働省補助金事業「地域診療情報連携推進事業」のもとで構築されている。
http://info.planet.kameda.jp/index.html
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch