高額療養費制度を改めて考える

みなさん、高額療養費制度は知っていますね。
病院の窓口でいくら払おうと、請求により一定金額以上支払った分が償還払いされるという制度です。
大きな手術をしたり、入院が長引いたりした場合には、非常に助かる制度ですね。
上位所得者や低所得者を除いて、一般的には、72,300円+(医療費−241,000円)×1%が1ヶ月の自己負担限度額となっています。
では、具体的にどれくらいの金額が自己負担限度額となるかを考えてみましょう。
例えば、あなたが入院をして、1ヶ月100万円の医療費がかかったとします。
(1日平均入院単価が33,000円として1ヶ月入院したと仮定します。)
すると、あなたが窓口で支払う金額は、100万円の3割負担ですので、30万円ということになります。
では、自己負担限度額はいくらかというと、
72,300円+(1,000,000円−241,000円)×1%=79,890円 となります。
300,000から79,890円を引くと、220,110円。
この金額が高額療養費支給額となります。
改めて計算してみると、医療費というのは「安い」と感心してしまいます。(※ 補足参照)
1ヶ月に100万円の医療費がかかっても、1日あたり2,700円弱の自己負担金額ですからね。
ちなみに、この金額はレセプトの審査後に支給となりますので、申請してから約3ヶ月程かかります。
食費の自己負担分や個室料については、高額療養費の対象とはなりませんのでご注意ください。
 
◎補足
医療が安いということを書くと怒られることもあるのですが、医療を商品と考えていただければわかりやすいと思います。
医療には高額な治療法も、低額な治療法もあります。
まだまだ医療機関側からの情報提示不足に問題はありますが、高い医療を選択するのは最終的には患者本人です。
例えば今回の例ですと、1ヶ月100万円という医療を購入することになります。
その際、医療保険で70%の費用を賄ってくれます。
さらに、高額療養費で22%を賄ってくれ、最終的に支払うのは8%弱です。
100万円の商品を買って、8万円弱の費用で済むのです。
負担されるお金は、税金であり、保険料(という名の税金)です。
すなわち、国民全体で支払ってくれているのです。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch