医療は抜本的改革へ!(3/4編)

前回からの続きです。
 
3.准看護師問題
看護師や助産師、准看護師の名称独占や免許保持者の届出義務などの課題について、保助看法の見直しに向けて検討が始まった。
准看護師については、これまでずっと議論され続けているが、将来的にはすべて看護師となっていくであろう。
准看護師養成コースを廃止する学校が増えたり、看護師の通信教育がスタートしたり、看護師養成の準備は整い始めている。
さて、病院の入院基本料では人数的な看護配置の他に、正准比率というのがある。
看護職員のうち、一定の割合以上は(正)看護師でなければならないというものである。
診療所では圧倒的に准看護師の採用が多い。
募集しやすい上に、人件費も削減できるからだ。
有床診療所の看護配置が厳しくなると、当然ながら正准比率も規定されることが考えられる。
(正)看護師が採用できなければ入院医療が実施できなくなる可能性も十分に考えられる。

4.外来の診察時間
診療報酬にドクターフィーを導入すべきだという意見が多々ある。
丁寧な診察、医療技術の高い治療には、高い診療報酬が必要だという意見だ。
内保連の調査で、内科系の技術については、初診、再診の2区分に時間的な要素を組み合わせることが合理的だと報告された。
外保連の調査では、外科系の技術について、手術件数とアウトカムの評価において、鼓室形成術や冠動脈−大動脈バイパス移植術で施設における手術数とアウトカムに相関がないことが報告されている。)
医師1名につき診察できる患者数が規定されると、おのずと診察時間が決まってくる。
濃厚な診察を行うと、それだけ診察できる患者数が減り、売上げが下がる。
そのため、多くの患者を診察するために、診察が手薄となってしまう。
医療機関を外来受診したことがある人は、皆、診察が手薄であると感じたことがあるであろう。
最近、診察予約制度が普及し始めたが、中身を見てみると、30分枠に10名を詰め込んでいることが多い。
ゆっくりと丁寧な診察を行うための診察予約が、実はは3分診療を生み出しているという皮肉な事実がある。
診察時間により、診察料が変われば、医師もゆっくりと診察、説明を行うことができるし、患者としても診察料を納得しやすくなる。
当然、薬のみが欲しいという、いわゆる「処方のみ外来」の場合は、診察時間が極端に短くなるため、患者負担も少なくなる。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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