「リーダー」と「管理者」

今回は書籍の紹介であり、考え方の紹介である。
医療機関介護施設における部署の責任者と話をしていて、常々感じていたことがある。
自分の部署の業務を一生懸命を行っているのだが、どうも、他部門・他施設との連携、部署内教育、未来像などに関心が少ないということである。
そして、毎日のように「忙しい、忙しい」と言い続ける。
「では、このように改善してみては?」と提案しても、「そんな暇はない」「今の業務を変えたくない」という返事が多い。
その忙しさは、日常業務の忙しさなのであり、責任者としての忙しさではないのではないか?と思うのだが、それをどのように分かってもらえばよいのかと考えていた。
そんな時に、ある本の最初の数ページがすべてを物語ってくれた。
福助株式会社 前代表取締役社長 藤巻 幸夫氏の著書「チームリーダーの教科書−図解」(ISBN:4757302886)である。
非常にシンプルで的確な考え方であるため、この場を借りて紹介させていただきたい。
 
本人は「リーダー」のつもりが、実は「管理者」にすぎないという責任者が大勢いる。
「リーダー」とは、やりたいこと、目標、挑むべきことに向かって、皆が進むべき道を指し示し、導いていくことが仕事である。
「管理者」とは、日常業務のスケジュールやコストを管理するのが仕事である。
チームの責任者は、「リーダー」であるべきで「管理者」であってはならない。
チームをまとめるには、次の4つの「力」が必要である。
第一に「志」であり、チームで実現させたいこと、いわゆるビジョンである。
第二に「人間力」であり、チームのメンバーを強力にまとめる求心力である。
第三に「システム」であり、仕事の手順などを体系的にまとめたものである。
第四に「ルール」であり、みんなが守るべき決まりごとである。
この4つの「力」をバランスよく操って、チームをまとめるのが「リーダー」、「システム」と「ルール」のみによってチームをコントロールするのが「管理者」ということである。
人間の心は、「システム」と「ルール」だけでは絶対に動かせない。
「志」や「人間力」が加わってはじめて、チームに火がつき、前向きでクリエイティブな仕事ができるのである。
 
いかがであろうか?
責任者のあなたは、「リーダー」であろうか?「管理者」であろうか?
この本、1,470円とお手頃で、図解が多いため非常に分かりやすい。
責任者の皆様、ぜひ、ご覧いただきたい。
 
尾崎総合企画
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