レセプトの電子請求(前編)

どの医療機関でも月初は、診療報酬明細書、通称レセプトの申請業務に追われている。
1ヶ月間に行った医療行為を医科点数に置き換え、保険者へ診療報酬を請求するのである。
診療行為および診療報酬が記載されたレセプトは、一種の有価証券ともいえる。
レセプト請求から診療報酬の支払いまでの流れは以下のとおりである。
まず、医療機関において医療事務員(レセプト作成のみの臨時の医療事務員もいる)がレセプトを作成する。
レセプトが国保連合会や支払い基金というレセプト審査機関に提出されて査定を受ける。
レセプトの審査業務は膨大なため、民間業者への業務委託も行われている。
審査が行われたレセプトに基づき、保険者から医療機関に診療報酬が支払われる。
このように、医療行為がお金に変わるまでには、多くの人の手を通らなければならない。
この費用は医療機関では医療費(保険料と自己負担金)、審査機関では保険料により賄われている。
すなわち、我々が支払っている保険料のすべてが医療費として使われているのではないということである。
最近、レセプトの電子請求を促進しているが、大多数の医療機関においては「紙」での請求となっている。
非常に非効率に思えるが、現在の医療システムでは、レセプトのチェックは人の目でなければ難しく、現在の電子請求システムは二度手間となりメリットが少ない。
そう、現在のレセプト請求、審査の流れは非常に非効率なシステムなのである。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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