変わる訪問介護(前編)

平成18年4月の介護報酬改定で、訪問介護が大きく変わっていくようだ。
現在、訪問時間や回数のみに応じて支払われている報酬が、具体的なサービス内容の組合せにより決定する報酬になるそうだ。
それもサービス内容毎に定額制になる模様である。
訪問介護給付費が急増する中、定額制を導入することにより歯止めをかけることが狙いの一つでもある。
例えば、1日4回トイレ介助に来てほしい時、現行のサービスでは身体介護を4回算定しなければならない。
介護保険の適用には上限があるため、枠内に抑えるためには、トイレを我慢しなければならないお年寄り、オムツ着用をしなければならないお年寄りも出てくる。
保険適用の枠ギリギリまでは訪問介護の回数を利用するため、全体の給付費は当然ながら増大する。
新しく創設されるであろう制度では、「トイレ介助」というサービス内容を選択すれば、1ヶ月に何回でも、当然ながら1日に何回でもトイレ介助サービスを利用できるということになるであろう。
利用時間という概念から、利用目的という概念への変革が起こるのだ。
訪問介護事業所側から見ると、メリットとデメリットが考えられる。
メリットは、1人の利用者に費やす時間が、10分、15分という短い単位に変わっていくため、より多くの利用者宅を訪問することが可能となることである。
コムスンが掲げる24時間巡回型訪問介護を実施するには最適な制度といえよう。(敬称略)
デメリットは、報酬の上限が決まってしまうことであり、訪問頻度が高い利用者が増えてくると、人件費というコストが非常に高くなってくる危険性があることである。
利用者宅へのルート管理、スタッフ配置管理をしっかりと行わなければ求められるサービスを提供するためのスタッフ数は増加していってしまう。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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