進むか?風邪の保険適用外(前編)

2006年度予算編成に向けて、財政制度等審議会の建議の素案が出された。
その中で、医療費を抑制するために、少額医療費を保険適用外にすることが提言されている。
まぁ、様々な会議で様々なことが言われているので、財政制度等審議会の提案がどこまで反映されるかは不明であるが、同様の意見はこれまでにも出ている。
さて、少額医療費とは何をあらわしているのか?
風邪をひいたとか、熱があるとか、咳止めが欲しいとか、シップが欲しいとか、目薬が欲しいとか、擦り傷ができた、などの1、2回の受診で終わってしまう症状のことである。
すなわち、ドラッグストアで市販されている医薬品で対処できるレベルには、医療保険の適用を行わないということである。
この程度ならば医療機関を受診せず、ドラッグストアで薬を買え!ということである。
思い出しましたか?以前に問題となりましたね。
厚生労働省の方針として、様々な医薬品をOTC化して、受診を抑制しようとしている。
OTCとはOver The Counter Drugの略であり、カウンター越しに買える医薬品という意味であり、医師の処方箋がなくても買える医薬品のことを意味しています。
当然ながらドラッグストアで買える医薬品は、すべてOTCである。
今まで処方箋が必要であった薬剤がOTC化されることをスイッチOTCというが、現在、スイッチOTCがどんどん増えている。
テレビのCMで「医療用と同じ成分が配合された・・・」などと謳っているのがそうである。
風邪薬、胃薬、水虫の薬、シップ薬などなど、今後もスイッチOTCは広がっていくであろう。
ドラッグストアで買えるOTCは、当然ながら医療保険は使えない。
しかし、医療機関で同じものを処方してもらえば医療保険が使える。
経済的にいえば、皆が医療機関で処方されることを望むであろう。
これでは、OTCを促進させることはできない。
そこで、少額医療費を保険適用外にしようとする動きが出てくるのである。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch