「聴く」って難しい(後編)

前回からの続きです。
 
さて、すべてを説明して図を合わせてみましょう。
なにか違うものになっていますね。
話し手は「あんなに丁寧に伝えたのに、なぜ伝わらないのか?」と思うことでしょう。
聞き手は聞いている間「本当に合っているのだろうか?」という不安がつきまとっています。
こんな単純なことでさえ、100%は伝わらないのです。
では、普段の生活を見直してみましょう。
加齢や傷病により、言葉を話すスピードが落ちていることがあります。
身振り手振りをしたくても、腕が動きにくくなることもあります。
痛みや不安など、数値化できないもの、共感できないものを伝えるのはなおさら難しいです。
このような訴えを皆さんは「聴けて」いるでしょうか?
なかなか難しいものです。
さて、先ほどの実験ですが、今度は、話し手は身振り手振りを加えてみましょう。
聞き手は、話し手の言葉を「オウム返し」をしてよいことにしましょう。
するとどうでしょう。
先程よりは、2つの図の形はかなり近づいてきます。
こういうちょっとしたことで、意思疎通は高まっていきます。
自分の心の痛みを分かってもらえるのはうれしいことです。
各地で「傾聴セミナー」が開かれています。
皆さんも「傾聴」能力を高めて、不安の解消のお手伝いをしましょう。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch