「常時」看護配置の考え方

北海道に端を発した、医師の名義借り問題により、医師数のあり方が見直されている。
適切な人員とはどういう基準によるものなのか?
古い法律は見直されなければならない時期となっている。
さて、医師数と同様に、看護師数の考え方も見直さなければならない。
平成18年4月より、医療法では患者3人に1人の看護配置が最低基準となる。
日本看護協会の久常節子会長は、急性期病院の看護配置を「常時6対1」を主張していく方針を表明した。
「常時配置」という観点から看護配置を求めていくとのこと。
さて、現在の2対1看護、3対1看護と、常時6対1看護というのはどれくらいの違いがあるのであろうか?
例えば、2、3、6の公倍数である90床の病院で考えてみることとする。
2対1看護では、90床÷2=45人の看護職員、3対1看護では、90床÷3=30人の看護職員が配置されることになる。
1ヶ月を30日として、勤務日数が21日あるとする。
また、1日の勤務時間を8時間し、1日3交代であるとする。
すると、1勤務時間帯の看護職員数は、2対1看護では、45人×(21日÷30日)÷3=10.5人、3対1看護では、30人×(21日÷30日)÷3=7人となる。
「常時」換算すると、2対1看護は、90床÷10.5人=8.5(常時8.5対1看護)、3対1看護では、90床÷7人=12.8(常時12.8対1看護)となる。
そう、2対1看護、3対1看護とは、常時8.5対1看護、常時12.8対1看護のことなのである。
久常会長のおっしゃる「常時6対1」というのが、いかに濃い人員配置かということがお分かりになるだろう。
(逆算すると、現在の1.4対1看護、90床で64人の看護職員配置となる。)
筆者も常々、「常時」看護配置の必要性を書いてきた。
昼夜で看護の質・量に差があるのはおかしい。
ただ、これだけの人員配置となると、医療費は当然、高沸することとなる。
財源は保険料の増額で補うのか?、それとも税金という公費を投入するのか?
(どちらも我々の給料から天引きされることに違いはない。)
「常時」看護の道は国民全体にとっても険しい・・・。
 
※次回の改定では「日勤帯○対1看護」「夜勤帯○帯1看護」という掲示を義務付けてほしいですね。
 
尾崎総合企画
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