食費と居住費の自己負担に伴うあれこれ(中編)

前回からの続きです。
 
さて、介護3施設の個人負担が高くなると、当然ながら次の問題を考えなければならない。
そう、相対的に病院に入院したほうが安くなってくるのである。
病院への社会的入院を改善すべく、様々な政策が打ち出されてきたが、悪い意味での原点回帰となる可能性が強い。
再び、社会的入院が増加したのでは、何のための介護保険なのかわからない。
当然ながら、この問題への対策も出てきた。
厚生労働省は、医療療養型に入院している患者の食費や居住費を公的医療保険の給付対象から外し、患者に自己負担を求める方針を固めたのだ。
来年の通常国会に提出予定の医療制度改革関連法案に盛り込み、平成18年10月からの実施を目指すとのこと。
先ほどの考えから、当然ながら医療に関しても食費や居住費は自己負担とせざるを得ないだろう。
日本医師会は「食事も含めて治療の一環である。」「国は社会的入院の受け皿整備を急ぐべきである」と反発しているがいかがであろうか。
食事は治療の一環であることは当然である。
しかしながら、給付対象から外すのは「長期入院」の患者なのである。
(入院基本料II群の病院も要注意!)
長期に渡って、入院で食事管理を行う必要はない。
入院で栄養管理を行い、栄養指導をして、在宅で管理する。
本来の基本に戻るだけである。
社会的入院の受け皿整備については、論点がずれているように思われる。
そもそも、医療療養型というのは、介護保険の財源不足により残っている施設形態であるということを忘れてはいけない。
さらに、社会的入院が何故起こっているのかということを考えれば、このような意見は出てこないであろう。
何をもって受け皿というのだろうか?
何のための受け皿なのだろうか?
受け皿を作ることが解決の道に繋がるのであろうか?
この問題については、次回で意見を述べたい。
 
字数の関係で次回へ続く。
 
尾崎総合企画
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