食費と居住費の自己負担に伴うあれこれ(後編)

前回からの続きです。
※今回のコラムは筆者の個人的意見であることをご了解願います。
 
まずは、結論ありきから考えなければならない。
医療費も介護費も増大しすぎている。
我々の給与から天引きされる社会保険料は毎年上昇しており、所得税負担は法改正により増大する。
消費税は近い将来上がることだろう。
新しい老人医療保険制度ができれば、高齢者の負担はさらに増大する。
社会的入院が多いから、介護度が高い人が多いから、そうならないように予防介護をしよう。
この考え方は確かに正しい。
一時的ではあるが、社会的入院、介護度の悪化の伸びを抑えられるであろう。
社会的入院が多いから、介護度が高い人が多いから、受け皿を整備しよう。
・受け皿を整備する予算がないから、保険料や税金を上げよう。
・ただし、本人からの自己負担だけは上げないようにしよう。
この考え方は、完全に間違っている。
社会的入院が多いのは何故なのか?
長寿世界一の原因は何なのか?そして、その実態はどうなのか?
根本的な問題から考え直す必要がある。
これまで老人医療費無料から始まり、現在も1割負担と、「安すぎる」高齢者医療が展開されている。
しかし、安いのは自己負担だけで、実際の高額の医療費は保険料という名の税金から支払われている。
すなわち、高齢者という対象を通して、若い世代から金が流れているだけなのだ。
その結果が、長寿世界一であり、社会的入院の増加による医療費、介護費の増大なのだ。
過度な医療、過度な介護が行き着く先は、保険制度の崩壊である。
将来の我々の医療費、介護費があまり遠くない未来に枯渇することは目に見えている。
話が発展しすぎたが、食費や居住費の負担というのはもはや免れない。
費用対効果を十分に考える必要があることを、今回の改定から強く思う筆者である。
 
尾崎総合企画
http://www.medisoft.jpn.ch